冬深く

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 友達として言っている? この年になって友達と一緒の布団で寝るなんてことあるのか?  近づけばきっと我慢できなくなる。こんな狭いシングルの布団に入ればいやおうなしに身体は触れるのだから。  そこに入っていいってってことは、それなりに身体の距離も近くなる。自分勝手な期待を持ちつつ一歩踏み込もうとしたときに拒絶されたら取り返しがつかない、と不安もよぎる。  推理小説と違って人の心なんて読めないんだ。  「いやなら別にいいけど。」  声が微かに震えて聞こえるのは、自分の思い込みなのかもしれない。でもさっき試合を見ていた時、遥希は自然に敦人に触れていた。だから安心して顔を寄せたんだった。優しく受け入れるような空気が体のうちに蘇り、胸の奥がまた甘く震えた。これは自分の勘違いじゃないはずだ。 「いいの? やった。」  できるだけ何でもないことのように喜んでみせながら、敦人は弾む気持ちを抑えられなかった。雑魚寝した時と違う気持ちを持っている自分を遥希はどう思うのか。  間近にいるからようやく顔が見えるほどのささやかな夜の光。暗闇の中で自分の気持ちも体温のように静かに伝わればいいのに。
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