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女の子は素直にうなづき返答した。
意外な素直さにアレックスはちょっとだけ驚いてから、ミラクルの頭を撫でながら、続けざまに言う。
「盗んだものは返しなさい。そしたらこのカップルさんたちも満足してこれ以上、あなたを責めるようなことはしないでしょう」
そう言い終えたアレックスは旅行者のカップルたちにニコっと笑ってみせ、彼等を納得させた。
彼等は警察に突き出したいっとは内心、考えていたが時間が経つにつれ冷静さをとりもどしてきたみたいで、ちゃんと盗まれたものを返却してくれるなら許すことにした。
だったのだが、さっきは素直に盗んだものを返却する気を見せたのに、どうしても欲しかったのか、それとも単純に我が強いのかはっきりしないけど、盗んだものを返そうとしない。
この事態にはアレックスは髪をかき、悩みうなだれてしまう。
エレナはこれ以上、関わりもつ気がないらしく、何事もなく行けるはずだった塔へ惚れぼれした瞳で眺めているだけだった。ミラクルは大きくあくびをし眠ってしまう始末。
さて、どうしたものですかね。
アレックスはため息まじりにつぶやく。
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