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その声が良い具合にアレックスと少女の間の雰囲気を和らげる。
はじめてだった。
自分の緑の肌を綺麗だと言ってくれた人なんて。
生まれてはじめてなこと。
緑の肌をした少女は眼元をほのかに赤らめさせ、好きでもない街の景色をアレックスの横で見渡す。
そのときの緑の肌をもって生まれてきてしまった少女はどことなくうれしそうだった。
少女を横目におなじようにエレナたちのことと疲れは一旦、買い物袋と一緒に置き、茜色の空を背景に広がる街の景色を魅入るアレックス。
「アレックス~、お腹すいちゃった!」
突然、がばっとカラフルを挟み込み形でエレナは夕暮れ時の時間にたそがれていたアレックスに横腹をめがけ抱きついた。
「拙者を押しつぶす気か?!」
文字どおり、ぺっちゃんこ状態のカラフルが怒る。
そんな得体の知れない雰囲気をもった街の来訪者たちを見ていた少女は白い前歯を夕陽に照らされ、きらきらっと光らせながら笑ってみせた。
アレックスはそんな少女の笑顔がなんとなくうれしかった。
その理由はアレックスの母親も緑色の肌をしていた。人相は似ていないが母とおなじ肌をした少女に親近感がわき、まるで身内のような気がしはじめていたからだ。
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