何者?!

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何者?!

 山々に吸い込まれ溶けていく夕陽を見終えたら、またもや薄情にも荷物持ちのアレックスを置き去りにし、螺旋階段を勢いよくエレナたちが駆けずり降りていく。  やれやれっとアレックスも螺旋階段へ足を踏みいれようとした時だった。  結構な力で襟首を突如、掴まれ、螺旋階段に突き落とされたのは。 「うわぁーーーーーーー!!」  いったいぜんたい、なにが起きたんだぁ!?  ダルマさんがころんだ、みたいにアレックスの身体がくの字となって、派手に転げ落ちる。  身体が階段外へはみ出しそうになりながら転げ落ちる。  が、ちょっとの間、状況が飲み込めないでいたアレックスは螺旋階段に何者かに突き落とされたことにやっと気づき、  すかさず木造の頼りない手すりに手をかけ、  なんとか己の身体を停止することに成功した。  額と?に血が滲む。  乱れた呼吸を整え、  ながら、自分を突き飛ばしたはずの何者がいるに決まっている、自分がいた場所へきつめな視線を向けてみた。するとそこには誰もいなかった。  と思ったが、よく眼を凝らして見てみると、土壁と同化するかのような薄透明な人の輪郭をした不確かな存在がいたのだ。  なんだ、あいつは?!     
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