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アレックスは屈辱的な経験をさせられ我慢ならず、おもわずエレナの頭にゲンコツを食らわし誤魔化す。
「いっだぁーーーい、なんで殴るのさ」
強烈だったのか、
赤ん坊のようにエレナは泣きだした。が、
涙は一粒も?に流れてない。
嘘泣き。
けど、痛かったのは事実だったらしく、ふくれあがったぼた餅たんこぶをさする。
「さぁ、帰りましょう」
と言ったものの、?と額と鼻の典型的な三セットから血が滲んでいたものだから、エレナとカラフルがそれに気づき、人に指をさしてまで、
「イケメンの顔が台無しだ!」
とまた笑いだす。
アレックスはすかさず顔を隠し、そそくさっと逃げるように塔からはスタコラサッサと去っていくが、すぐに少女がひきとめた。
「あなたたち、どこの宿に泊まってるの?」
アレックスの腕の裾をすばやく掴んでは、真剣な眼差しで問いかける。
「わたしたちは宿ではなく仮宿に住んでいるんです。ちょっとの間だけなんですが、この街に滞在することになりそうなので」
「じゃあさ、あたしもそこに住まさせてよ!」
「そ、それは無理ですよ。そもそも君の家があるんでしょう」
あまりにも突発な発言にアレックスもさすがに苦笑まじりにすぐに返答。
「いいじゃない! あたしたちだけではさ男女の関係の知るところはぜんぶ知っちゃたんだからさ」
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