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「その言い方は誤解を生むからやめてください!」
びしっとアレックスが言い切る。
「誤解ってのは?」
本気でこの人は自分の発言の意図がわかってないのかっと言ってやりたいほど無責任な表情をし、反対に聞き返されたアレックスは重大なことに気づく。
「あれっ? エレナ様の買い物袋はどこへいきましたか?」
「どこへって、あなたが荷物持ちをしていたんだからあたしに聞かないでよ」
即答に冷徹に言ってのけるエレナ。
「おまえ、もしかして塔へ忘れてきたのではないな?!」
凄んだ声色で彼の真下からカラフルが問いつめる。
さぁーっ、と背中に嫌な悪寒がほとばしる。
やばい!!
塔に忘れてきてしまったんだ。
あの土壁と同化し消えた者に突き飛ばされた時に手放してしまったんだ、絶対。
やっと鼻血が止まったアレックスは両脇にエレナと少女を抱え込み、ふたたび塔の中へ入れてもらえるようにさっき怒られたばかりの係員に責めるように尋ねたのだった。
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