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ら、カフェの外から顔見知りの男が通りかかったのを発見したのだった。
チョコクリームを口周りに汚したカラフルが他の客さんたちが座るテーブルを軽い身のこなしで店の外まで飛ぶように跳ねて、アレックスという青年の懐へ飛び込んでいった。
のこされたエレナはアレックスに手を振ってみせ、店内へやってくるように誘う。
懐にいきなり飛び込んできたカラフルの頭をアレックスという青年はやさしげな微笑みを浮かべ、なでてあげる。
カラフルも心地よさそうに喉を鳴らす。
「おおお~い、アレックス! あなたも一緒にお茶しない?」
優雅に一人でお茶を楽しんでいるエレナを見た途端、アレックス アルテーナはやれやれっといった感じで、誘われたとおりカフェの店内へ足をむかせ、エレナの前にある椅子を紳士っぽい座りかたで着座してみせた。
「あなた様はほんと、カプチーノとチョコケーキには目がないんですね。人に雑務を押しつけといていい気なもんです」
ひとりで仮の宅で雑務をやっと終わらせ、おそらくここにいることを的中させてきたアレックスは頬杖しため息まじりにつぶやく。
エレナの口もとがちょびっとチョコクリームがついていることに気づいたアレックスはやさしく指でなぞりぬぐいとってあげる。
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