緩くサッカー部入部

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緩くサッカー部入部

まだJリーグが無い頃、中学入学と同時に強制的に部活に所属しないといけない事からサッカー部に入部した。文系ではないし運動系でどこか・・・となんとなく考えているところ、グランドいっぱいを使い大きく丸くなりボールを蹴り合っている様子が気持ちよさそうだったからだ。1度目に入ると意識していなくても気になり、たまに様子を遠巻きにうかがうようになった。部員が集団でランニングをノンビリと行っている。土のグランドから舗装されているロータリに入るとカシャカシャと足音が金属音になるのも気持ちよさそうだ。自分は小柄でもあるし、運動系部活に何となく入りたいが野球部に入るような自信もない。緩い感じがよかった。走りながら変な体操はやってはいるが掛け声もそれほど大きくないし、掛け声も体操の動きもバラバラだ。緩い・・・入部を決めた。入部した1年生は20名位か?同じクラスからの入部は無かったが知り合いが3名程いて心強く感じメンバー的のもうれしかった。幼馴染のツートン。自宅から1キロほど離れたところに住むおばあちゃんの家の近くに住み、小学校低学年時には遊んだことがある顔見知りだ。内緒で飼っているペットを見ることがあったが、小さいドブネズミを箱に入れて飼っていてドンビキしていらい、ツートンのイメージはネズミ小僧だ。ミヤジは小学校の同級生で4年5年6年と同じクラスだった。母親がミドリのおばさんと言う学校から依頼をうけた登下校時の見守り・交通誘導員をやっていた。フジッチョも同級生だったが6年生の時に隣の小学校に転校してしまい、まさかの再会となった。元気が良くクラスの人気者で、あまり転校の無い田舎のクラスでは転向時には衝撃が走った。他は幾つかの近隣小学校から集まった得体のしれない連中だ。入部してから分かったことだが、サッカー部はあまりガラは良く無いらしい。スポーツと言えばそりゃあ野球が華!先には高校野球、甲子園、プロまであるから・・・入った部活名を聞いて「あんなにキャチボールしてやったのに」とあからさまにがっかりしたのは和菓子屋を営む父親だった。
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