鈴木拓真

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嘘だろ……はるは中学生でも高校生でもなく俺と同じ幼稚園の年中さんだけど、たまたま怪しい人に会って、その時持ってたお金がたまたま足りちゃって、マヤクを買っちゃったのかもしれない。なつ姉にもおばさんにもバレないように吸って来たのかな。しかも専門家とやらによれば、「一回だけなら」なんて言ってイゾンショーになるまで使っちゃう人が多いみたいだぞ。 「はる!何だよその白い粉!」 「え?」 耳元で言うと、はるはきょとんとした後白い粉のある辺りをこすった。 「な、何でもないし!」 そしてそっぽを向いた。何しらんぷりしてんだ。 「それ、アレだろ……白い粉だろ!?いけないんだぞ、それ」 声をひそめたまま注意する。町内会のお知らせに来たなつ姉は台所で母ちゃんと喋っているようだ。
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