鈴木拓真

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夏休み開始から三日経った日の昼。 「あっつぃ~」 お昼ご飯のそうめんを食べ、俺はリビングでだらだらしていた。ケチな母ちゃんがエアコンをつけてくれないので家中どこにいても暑い。 仕事が休みの父ちゃんがテレビの前に来て録画していた番組を見始めた。 『特集!街中に潜む白い闇 ~麻薬、洗脳、その実態~』 でかい文字とナレーションが流れる。父ちゃんはなぜかこういう番組が好きで、『警察24時、暴走族VS機動隊』とか『連続窃盗犯逮捕の瞬間!』とかを録画してよく見てる。これは昨日の夜やってたやつか。 『夏休みに入り賑やかかつ警戒心が薄れた夜の街、起こるのは楽しい事ばかりとは限らない。奴らにとってはかき入れ時でもあるからだ……奴らとは、そう……マヤクの密売人である』 暴走族はバイクでうるさい音を出して走る人、窃盗はドロボーだ。マヤクって何だろう。幼稚園では聞いた事ない言葉だ。
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