鈴木拓真

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「マヤクって何?父ちゃん」 「ん?そうだなぁ、危険なお薬の事だ」 「お薬?なら体にいいんじゃないの?」 「風邪薬とかとは違うぞ?法律で禁止されてるお薬なんだ」 モザイクがかけられた人混みを背景に、『コカイン』や『大麻』、『MDMA』の画像が浮かび上がる。 「あれ全部マヤクなの?いっぱい種類があるんだな~」 「そうだぞ、名前とか形とか違うけどどれもぜーんぶ危ないお薬だからな。吸ったらダメだぞ」 「吸わないやい!」 でも吸ったらどうなるんだろう。 見ていると画面が切り替わった。停まっている車を警察官が取り囲んで色々質問している。 『名前と年齢は?』という質問に運転席の人が答えるけど、なんか声が変だ。こういう番組に出てる人はみんな変な声になってるけどこの人は喋り方もおかしい。  と思ったら、後ろの席にいた女の人がバッグを持って逃げ出した。 『おい、逃げるんじゃない!!』 暴れながら何か叫んでいる女の人は運転席の人より変な喋り方で、表示される文字が記号だらけになっていた。
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