鈴木拓真

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「はる、なんかいつもと違くない?」 思いついたら口に出しちゃう俺は早速聞く。 「髪の毛切った?」 「え?ううん」 はるはどこかそわそわしている様子だ。何だろう、何が……あ。 よーく見てみたら、頬に白い粉がのっているのに気付いた。え、白い粉!? 冬に乾燥して肌に粉がふいたようになったりはするけど、今、夏だぜ……? 『専門家によれば、この手の事案は夏休みになると急増するのだという。浮かれた中学生や高校生が街に繰り出し、「一回だけなら大丈夫」などとそそのかされ買わされてしまうのだ』 リビングからはまだテレビの音が聞こえている。
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