その男、ロベルタ

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ドミナ帝国。 天使信仰国家に栄えた帝国で、国の至るところに天使のモチーフや聖堂がある。 その国で、彼は傭兵をしていた。 名はロベルタ・ペルツォフ。 10の頃に親をギャングと帝国軍との抗争の巻き添えに失ってから、生きるために独自で剣の腕を磨き、傭兵になって10年になる。 その日、ロベルタはとある貴族の令嬢の護衛を終えたところだった。 依頼人「それじゃ、約束の50000モーノ。」 ロベルタは紙幣を受け取り確認する。 令嬢「随分と用心深いのね。」 ロベルタ「偽札を掴まされてしょっぴかれたり、カネだと思ったらガラクタだったりする例があると聞いてる。」 令嬢「ふーん。」 ロベルタ「確かに、50000モーノ受け取った。」 依頼人「縁があったら、また頼むよ。」 その割には笑い方が怪しいが。 その日は神託祭りがあって、警備員とおぼしき姿が多い。 それもそのハズ、ドミナ帝国を含む世界各地には裏社会が存在して、そのメインとなるのがヘレズーロである。 彼らは天使信仰国家に反旗を翻す存在で、天使の力を借りて戦う聖義軍とは対照的に、彼らは悪魔の力を借りて戦うのだ。 聖義軍とヘレズーロを含めたギャングとの抗争は日常茶飯事で、一般市民が巻き込まれるケースはあまりない。 ロベルタは警戒しながら祭り会場へ足を運ぶ。 既に店の屋台が並んでいる。 と。 ???「ねぇ、あんた傭兵だよね?」 振り向くと、ピンクの髪の少女が立っていた。 ロベルタ「見てたのか?」 少女「まぁね。今から暇?」 ロベルタ「今日はもう依頼はない。」 少女「じゃあ、あたしのこと護衛してくれない?」 ロベルタはキョトンとする。 少女「あたしはメアリー。もしこのお祭りが終わるまでに護衛が終わったら、ママに頼んでお金払うから。いいでしょ?」 ロベルタ「いくらになる?」 メアリー「150000モーノは?」 ロベルタ「やり過ぎだが、まぁいいだろ。」 メアリー「やった♪」
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