その男、ロベルタ

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そして山賊の群れを一掃した直後、ロベルタはメアリーの手を引き走る。 ヘルメス「おい、待て!」 慌ててヘルメスも後を追う。 そして森を抜け、国境を越えた。 ヘルメス「ここまで来ればあの山賊も追ってこない。名前を聞いてなかったが、取り敢えず例を言う。」 その時にはロベルタの目は虚ろになっている。 メアリー「どうしたの?」 ロベルタは何も言わずに倒れた。 ヘルメス「しまった、契約したばかりだから激しく消耗したんだ!とにかく、こいつはうちに運ぶか。」 一方帝国。 皇帝はそのまま教皇になるシステムで、皇族は常に天使信仰を欠かさず、教典を読むことも欠かさない。 そんな中。 伯爵「教皇陛下、祭りは無事に終わりましたな。」 教皇「だが、抜かることのないように。明日からまたヘレズーロが反旗を翻すために我々に刃向かうことだろう。我々は常に聖義を貫かなければならない。」 伯爵「わかっております、陛下。」 教皇「我々の望む未来は、全ての悪魔を撲滅すること。そしてヘレズーロのない世界を目指すこと。そして全ての国が天使信仰国家として繁栄することだ。」 と。 男爵「教皇陛下。例の娘を取り逃がしたとの連絡が!」 伯爵「まさか、ベルニスの娘か!」 男爵「娘を捕らえようとした山賊たちによると、ベルニスに仕えるギャングのヘルメスと、メアリーを護衛していた傭兵によって取り逃がしたそうです。」 教皇「たった2人にか?」 男爵「それが、傭兵の方は一度倒したら青白いオーラをまとって山賊の軍団を一斉に崩したとの話です。」 教皇「悪魔と契約して力が覚醒したか。何と愚かな。とにかく、その傭兵を特定次第捕らえよ。賞金首としても構わぬ。」
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