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A「やっぱりこのホットドッグは美味しいわね!」
B「毎日食って飽きないのか?」
A「そんなのありえない! 美味しいから!」
こっちを振り向き満面の笑みを向けてくる。ホットドッグを食べている時のいつもの彼女だ。
そうだ、この笑顔も目に焼き付けておかなければ。
A「ねえ!」
B「え? 何?」
A「どうしていきなり奢ってくれたりなんかしたのよ? びっくりしちゃった」
B「ああ、日頃の感謝だよ感謝」
A「変なの……まあ美味しいから何でもいいわ! とにかくありがと!」
そう言ってまたホットドッグに食いついた。
細かい事を気にしないところも彼女らしい。
彼女の横に並び、黙々と食べている姿を眺めながら歩いていると、あっという間にホットドッグは無くなってしまった。
彼女が「美味しかった」とでも言いそうなときだった。
A「いてっ」
と、彼女は尻もちをついた。
「わりぃ!」
どうやらあの先を急いでいそうな男の人にぶつかってしまったみたいだ。
「大丈夫か?」と声をかけ、手を貸した。
A「ありがとう」
B「ホットドッグ、食べ終わってて良かったな」
A「本当よ! もし落としてたらあの人に弁償してもらうところだったわ!」
そんなことを言いながら、手に付いた砂をはらっている。
A「そういえば最近、あの人みたいに大人達は毎日忙しそうよね、何かあったのかしら?」
B「確かに忙しそうだな、何でだろう」
俺は知っている。けど彼女には知って欲しくない。いずれ知ることにはなるだろうけど。
A「最近といえばあなたもよ」
B「え?」
A「あなただって忙しくて、こうやって一緒にホットドッグ食べるのも少なくなっちゃったし」
B「俺は食べてないけど」
A「その変な眼鏡みたいなのが付いた帽子も最近被ってるわね、一体何なの?」
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