第一章 卒業前日、最後の日。

13/15
前へ
/67ページ
次へ
俺は本当に今、満足しているのか? この三年間、俺は本当にこれでよかったのか? 気がつけば俺の頭の中は、あれやこれやな妄想で埋め尽くされていた。 (つってももう、今から何かできるわけでもないんだけどな) 俺は瞳のことは覚えていなかったが、それでも今ここに俺がいるのは、過去の俺がそうしたからだ。それを根っから覆すのは、その時の俺になんだか申し訳ない気もする。 全ては俺が自分で決めてやってきたこと。今更どういうなんて考えたところで仕方ない。 「こんなつまらんことを考えるのはやめだ。とにかく気持ちを明日の卒業式へ向けないとな」 それに、俺にはこれから叶えたい夢があるからな。 卒業式はそのための第一歩で、ここから俺の新しい生活が始まる。 瞳のために、人として大きく成長するための。 そのまま俺は今まで通り帰宅し、そこからはいつもと変わらない流れで布団へともぐりこんだ。
/67ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加