第一章 卒業前日、最後の日。

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…と、ここまでが卒業式前日の俺だった。 このまま俺は予定通り卒業式を迎え、大学に進学をする……という、この段階で当たり前に決められていた人生の岐路を辿ることになる。 と、思っていたのだが。 ……何かがトリガーだったのだとしたら、それは恐らくこの時のこの妄想の繰り返しだったのだろう。そう考えないと辻褄が合わない。 俺は全く気がつかなかった…というか、気がつくわけもなかった。 完全に平和ボケしきっていた俺を一気に絶望と困惑に突き落とすとんでもない事態が、俺のすぐ目の前へと差し迫っていたことなど。 そう、ここまではあくまでも序章に過ぎなかった。
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