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玄関を開けて、家の中に入る。
「おかえりなさい」
私のお母さんが、台所で夕飯を作っている。
「ずいぶん、帰りが遅いではないか。誰かと遊んでいたのか?」
珍しくお父さんも早く帰ってきていた。最悪という言葉が浮かんだ。私は家族が嫌いだ。なぜなら…
『今日は図書館で勉強していたから、遅くなった。
ごめんなさい』
「家で勉強しなさい。あの学校は頼りない」
「そうね」
私の気持ちを理解せず、自分たちの思うようにしたいため。私はうんざりしていた。私には本音を語れる人がいない。たった1人を除いて。
『お父さん、お母さん。1つ聞いてもいい?』
「なんだ?」
『ハルの手紙、知らない?ハルはずっと送っていてくれてたって』
私がボードにそう書くと、2人とも罰が悪そうな表情をした。
「ああ。お前には友達を選んでもらいたいと思ってな。あれは捨てた。お前があの子のことを忘れると」
友達を選ぶ?私はその言葉を受け入れたくなかったし、友達を選ぶのは親ではなく、私ではないのだろうか?
忘れるもんか。そんなことで!一番大事な友達のことを。呆れて悲しい気持ちも湧かない。
『ずっと捨ててたの?最低!』
「お前のためを思って。友達を作ってもまた前の学校と同じことが起きては辛いだろ?」
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