4.変わらない関係

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ーナナから手紙を預かった。家に来てから、ナナは何かを考えているようだった。そして、またあの哀しい目。 私は自分の家に帰ってから、ゆっくりと手紙を読んだ。そこに書かれていたことは…。 ハルヘ 上手く伝えれるか分からなくて、手紙に書きました。まずは、ごめんなさい!本当は一緒に遊んだり、帰ったりしたいけど、できなかったの。ごめんね。 引っ越ししてから、優しかったお父さんとお母さんは厳しくなって、友達と遊ぶことも許してくれないの。毎日、勉強ばっかりで少しでも帰りが遅くなると怒られるの。 この前の手紙のことも、お父さんが捨ててた。ごめんなさい!私をハルと逢わせたくないみたい。でも、私は昔と変わらず、ハルと親友だと思ってる。 今の生活がとっても苦しくて、辛いの。もう頼れるのはハルだけなんだ!勝手なこと言ってごめん。 助けてほしい。お願い…。 ナナより 手紙にはナナの辛い気持ちが込められていた。私は読みながら、涙を流してしまった。ナナがこんな気持ちで毎日過ごしていたなんて。 そして、今も親友だと思ってくれていた。頼ってくれたのがこんなに嬉しいことだと思っていなかった。ありがとう、ナナ。もちろん、助かるよ。だって、友達だから!
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