プロローグ

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髪は昔から変わらず、黒髪ショートヘア。手入れも楽だし。ブレザーの高校の制服は、紺色で赤いリボン付き。スカートは気持ち短め。少しは大人っぽく見えるか? よし、鏡を見て…。 「初めまして!石川波瑠です。気軽にハルって呼んでね。これからよろしくお願いします」 「自己紹介の練習してる奴は初めてみたぞ」 声のした扉をみる。隙間からじっと覗くお父さんの姿が。 「勝手に見るなよ。本で読んだんだ!第一印象が大事だって」 「そうだな。母さんに挨拶してから、ご飯食べに来いよ」 「はーい」 仏壇の前で、手を合わせる。仏壇には私のお母さんの写真。そう、お母さんは他界している。私が中学生の頃だったけど、お母さんは癌で亡くなった。 お母さん、元気?私たちは元気。今日は、高校の入学式なんだ。姉さんは相変わらず、一人暮らしして頑張ってるよ。たまーに帰ってくるけど。 制服、似合うかな?友達できるか不安だけど…。今年はナナに逢えたらいいなぁ。 学校行事にはいつもお父さんが来てくれた。でも、やっぱりお母さんが好きで寂しかった。今でも寂しくないかと聞かれたら寂しいが、お父さんも姉さんもいるから、寂しくない。
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