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体育館の前では、先生たちが立っていて、席の案内や書類を渡していた。生徒と保護者が一列に並んでいた。
「次の方ー」
私たちの番がきた。
「ご入学、おめでとうございます。お名前は?」
「石川波瑠です」
「石川さんね、こちらどうぞ」
先生から手渡されたのは、入学式の案内と私のクラスに関して書かれたものだ。
「席は好きなところで大丈夫です」
「ありがとうございます」
体育館に入り、革靴を靴箱に入れる。早い時間にもかかわらず、多くの生徒が席についていた。
「どこに座る?」
「一番後ろ」
あんまじろじろ見られたくないので、目立たない一番後ろの席に。
何人かこちらをジロジロ見て、ヒソヒソ話しているのが見えた。そんな様子にイライラしてしまう。話している内容は、大体分かる。
ゴリラのような父親が来てることと、中学のとき評価がよろしくない自分のこと。人のこと気にする暇があるなら、今後のこと考えたら?
すぐに入学式の時間になり、始まった。
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