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夕焼けが空に染まる時間に、私は待ち合わせのお祭り会場の入り口へ。さっき、ナナからメールがあって、少し遅れるって連絡が入ってた。
学生さんもカップルも家族連れも人、人、人…すっごい人。
花火が上がるのは夜。それまでは屋台を回ろうということに。
カッカッと下駄特有の音が近づき、振り返ると、ダッシュで走ってくるナナの姿。慣れない下駄で走ると…と言ってる間に転びそうになり、急いでナナの身体を支えた。
「走らなくても大丈夫だよ。大丈夫?」
ナナは何度も頷いた。大丈夫そうでホッとした。
改めてナナの姿を見る。少し伸びた綺麗な髪は上げて、うなじが見える。髪飾りは赤く、よく似合っている。
浴衣は薄いピンクで花模様が広がって…
「めちゃくちゃ可愛い!」
ハッ!本音が出て…
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