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テーブルにカップを並べる。濃い湯気がふわふわ立ち昇る。仏頂面の隆之はズボンのポケットに手を突っ込んで長い脚を組みおもしろい事はこの世から消え去ったという態度だ。子供のような仕草に呆れ半分、それから口の端がムズムズするような喜色が半分。口の中に留めておけずに、僕はぶちまけた。
「君がアイツに慣れない暴力を振るうくらい、僕の事を真剣に考えてくれていたんだとしたら、とても清々しく感じる」
「意味分からん」
「ありがとうって事なんだけど」
「いい加減独り立ちしてくれ」
「これからもよろしくな」
隆之は苦虫を噛み潰したような表情で何も言わずに甘いホットコーヒーをすすった。
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