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僕は如月さんの話を聞いて、目の前の人が色んなことを抱えていることに驚いていた。そして、最後の問いに対する答えも用意していた訳では無いが、僕も話さなければならないだろう。
「僕は、無関心でいて得られることは、傷つかないことと安定性だと思っています。一人でいれば、確かに楽しいことは少なくなるかもしれませんが、楽です。人に気を遣わなくて済むから。僕は今の話を聞いても、自分の生活を変えようという気はありません。あなたと僕は違うんですよ。」
僕がそう言うと、如月さんは一瞬寂しそうな笑みを浮かべた。
「違うよ。君も私と同じだよ。だって、ちゃんと話聞いてくれたじゃない?」
僕は少しはっとしたが、何を言って良いか分からず、少し俯いた。そんな僕を見て、如月さんは機嫌良さそうに笑っていた。
「じゃあ、清水くんに一つ提案をしよう。私の助手になりませんか?この悩み相談室の助手。知り合いが来てくれた時だけでも良いから、一緒にその人の話を聞くの?それなら、少しだけだけど人と関われるよ。」
「嫌ですけど。」
「私は言い出したらきかない人間だから。覚悟した方が良いよ。」
僕はどうやら少し変なお嬢様に出会ってしまったようだ。でも、その出会いが僕の生活を一変させていく出会いとなるのだ。
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