第1章 夜明けの兆し

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僕がそもそも人に関心がないのは、昔からだったと思います。昔から友人は少なかったし、友人といってもある程度喋るだけでした。深い付き合いとかは、昔から何故か面倒で、それは別に家庭環境が悪かったからという訳では無いんですけど…。単純に、友人付き合いに興味が無いんです。現代では、SNSでも人と繋がっていて、友人と繋がっている時間が長いうえに、人間関係が浅くなっているという風にも言われてます。いじめはSNSにまで広がっているし、クラス間での階級とか、そういうもの全てが面倒くさいです。誰にも傷つけられず、目立たずに平穏な日々を手に入れることこそに価値があると思うんですよ。 そう言うと、如月さんは難しい顔をしていて、怒っているようにも見えた。しかし、何が気に障ったのかは、僕には分からない。 「そんなの寂しいじゃない。人と関わるのが、傷つくことばかりだと思っているの?君が、人と関わらないで得られるものって何?」 如月さんはそれだけ言って、さっさと去っていってしまった。何がいけなかったのだろうか……?
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