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私が下手に構わなくとも息子は気ままに遊んで楽しそうにしており、寂しがりなどしていない。私の方が息子と遊びたいからと、こちらの都合で息子の時間を奪えば不興を買うだけなのは、何度かの失敗から学んだ。
息子に過度に干渉しない。
きっと、これでいいのだ。
こちらから何か働きかけていないと「自分はちゃんと父親をやれていないのでは」と不安になるが、余計なことをするよりはずっといい。そう自分に言い聞かせ、私は1つ下の階に降りた。
本屋に入り、目当ての本を買って出たところで、息子の姿を見かけた。ああ、ゲームコーナーがあるのはこの階だっか。側には玩具売場もある。息子が今より小さい頃、よくここで玩具をせがまれた。さらに遡れば、子供の頃の私もここで親にせがんだものだ。
懐かしさに駆られ、足を踏み入れる。
数ある玩具の内、ロボット関連商品の集まる一角へ。一口にロボットと言っても〝原作の設定上は動くロボット〟の動かない模型──フィギュアやプラモデルから、モーターが仕込まれていて動くラジコンロボットまで色々で、その外観も様々。
機械仕掛けの色鮮やかな鎧の戦士。
自動車や電車が人型に変形する物。
恐竜や怪獣の姿をした物。
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