電影遊戯トイヴィークル

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電影遊戯トイヴィークル

 今日は日曜日。私は小学4年の息子を車に乗せてデパートへやってきた。最上階のレストランで昼食を済ませると、息子はそそくさと別れようとする。 「父さん、俺、ゲームコーナー行くから」 「あ~、じゃあ父さん買い物してくるから、そこで待ってて。終わったら迎えに行く」 「いや、そのまま帰っていいよ。俺は歩いて帰るから」 「そ、そうか。じゃあ」 「うん、じゃあね」  息子は手を振って行ってしまい、取り残された私はその背中を見送った。本音を言えばもっと一緒にいたかったが、早く解放されたがっている息子を引き留めることなどできない。  どうにも息子との接し方がわからない。  子供を幸せにする良い父親になろう、子供に寂しい想いをさせぬよう休日はいっぱい一緒に遊んでやろう──息子が生まれてからそうしてきたが、いつしか息子の方がそれを嫌がるようになった。  考えてみれば当然だ。  子供からすれば、父親だろうが他の大人の男と大差ない。歳が離れている分、価値観も好みも違って話の合わない相手と一緒にいて楽しいものか。     
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