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メッセージを無視し続けたある日。ヒノルから電話がかかってきた。夏休みを目前とした金曜日の夜。勉強の最中だったが、メッセージの文句が言いたかった。部屋の蒸し暑さが感情を煽る。応答をスライドさせた。
『あ…もしもし、ユキヨ。今、電話、大丈夫?』
「勉強してたけど、休憩のタイミングだから大丈夫」
『えっと…。ねぇ、ユキヨ。なんで連絡返してくれないの?遊ぶ約束したかったから、土日の予定を知りたかったの』
ヒノルはすがる様な甘え声で、私の無視の理由を問う。
私は思わず苛立ってしまった。
「毎日毎日、つまらないメッセージを沢山送られたら、大切なメッセージが届いたことも分かんなくなるでしょ?」
『ごめん…』
わかってる。こんなの間違っているって。
今の苛立ちは、ヒノルのメッセージの事だけじゃない。
高校に入ってから、成績が伸びない自分への怒りが混ざってる。ヒノルと話したくないのも、自分の情けなさを感じたく無いからだ。
「ヒノルと違って、私は勉強が忙しいのよ
考えている時は、邪魔されたくないの」
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