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小鳥のなきごえ
ヒノルは、小鳥みたいだ。
小さなことから大きなことまで、ピユンピユンと私に知らせてくる。高校入学の時に買ってもらったスマホ。毎日毎日、私のポケットで鳴りまくる。忌まわしき電子端末。
「ユキヨも早くスマホにしてよぉ!」と、ヒノルに何度もせがまれた。仕方なく私はお母さんにスマホをお願いした。ヒノルは大切な友達だから。
「ねぇ、お母さん。どっちでもいいんだけどさ、ヒノルの為にスマホ買ってくれないかな?」
私のセリフを聞いて、お母さんは安心したような、呆れたような表情を浮かべた。
「ユキヨ。スマホは買ってあげるけど。そんな調子で、高校での新しい友達は出来るの?ヒノルちゃんは違う高校なんでしょ?」
そんな調子とは、私の淡々とした態度のことか。スマホを仕方なく欲しがるのは、女子高生らしくないみたい。みんなと同じものを持っているかいないかで、周りへの受け入れられ方が違うのは、なんとなく解ってる。
だからと言って、みんなと仲良くなる為に、みんなと同じ物を揃えたいとは思えない。
「まぁ、トモダチなんてテキトーにできるよ。ヒノルは高校が分かれるからスマホが欲しいんだってさ」
ヒノルとは小中と同じ学校だった。仲良くなったのは中学校の時。
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