小鳥のなきごえ

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中学1年の3学期に、携帯電話を初めて持った。 スマホではなく画面とボタンが別れてるケータイ。お母さんのおさがりだ。お母さんは仕事が忙しく、家に居ない時間が多い。だから、防犯と連絡手段の為に持たされた。 ケータイをこっそり持ってきた放課後。バスケ部のメンバーやクラスの何人かから、アドレスと番号を書いた紙を押し付けられた。 「やった!ユキヨさんもケータイ持ったんだね」 「ケータイの没収が厳しいから、気をつけなきゃダメだよ。この学校遅れてるよね」 「これで連絡取りやすくなったよ、良かったね!」 「どーせならスマホが良かったのになぁ、グールプとか便利なんだよ」 「メールで来週のカラオケ連絡するね」 ケータイを持って分かったことが2つある。1つ目は遊びに誘われやすくなったこと。2つ目はみんなが私と仲良くなりたがっていたということだ。 私はそれが不思議だった、どうしてこんな愛想の無い人間と関わりたがるのだろう。
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