特別なもの

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お兄さんの家は、僕の家の一番近くの森の少し奥にあった。そこへ行くには、歪ではあったが、山道を歩いて行くのが一番効率が良かった。だが、その距離がとても遠い。あの時に、何でまたこんな山奥まで来ていたのか自分でも謎だった。 とにかく、汗をかくには丁度いいくらいの距離だったのである。 お兄さんの家に着くごろには僕の体は汗でびっしょりであった。着いたらまずタオルで汗を拭き、コーラを飲む。その時間がとてつもなく好きになった。 夏休みに入る直前の学校でのことだったか。 事件が起きた。
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