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高2ー春ー
芹沢 春真は2階にある2年2組の窓から外を眺めていた。
「つまんねーな。」
今までの決して長くはない人生を振り返ると、平凡、普通、そういった言葉しか浮かばない。
特別やりたい事がある訳ではなく、とりあえず進学校である桜丘高校(男子校)の普通科へ進学したものの、成績は常に真ん中くらい。
部活に入るわけではなく、かと言ってバイトするわけでもなく、ただここで毎日自分の平凡さを嘆いている。
「バイトでもすっかな。」
そう言いながらも実際にバイトをしないのには放課後のこの時間に理由がある。
放課後にこの2-2の窓から陸上部の練習を見るのが好きなのだ。
「何が楽しくて自分から進んで疲れる事してんだろ。」
そう言いながらも視線はずっと一人の生徒を追っている。
西 祐樹
2年1組で成績は常に上位。
茶色味がかった髪は女性的な顔によく似合っている。
身長は180センチくらいで、体つきは陸上選手らしく細身で無駄な肉は一切無いように見える。
春真は身長175センチで運動など全くしないたるみきった自分の体とつい比べてしまう。
その度に俺は俺だからと言い聞かせるけど、虚しさが残るのは言うまでもない。
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