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映画館を出ると、祐樹がUFOキャッチャーやりたいと言って走り出す。
2000円かけてやっと春真がとったブサイクな犬のぬいぐるみを大切そうに抱えて帰り際に祐樹は、
「また一緒に映画見てくれる?」
と遠慮がちに言った。
その仕草が可愛くて、春真は目を逸して、
「ああ。」
そう言うのがやっとだった。
春真の胸は忙しくリズムを刻んている。
祐樹と別れても、ふと気が付くと今日一日を思い出してしまう。
お風呂の湯船の中で春真の楽しそうな様子を思い出して『可愛かったな……。』そうつぶやくと、それを消すように勢いよくは顔にお湯をかけた。
『ホント、俺、どうしたんだろ……。』
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