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夜通し降った雪は朝のうちは7センチ程積もっていたけど、その後の強力な日差しとひっきりなしに通る車によって昼頃には道路は問題なく通れるようになっていた。
祐樹は朝のうちに雪だるまを作ったせいで汗だくになってシャワーを浴びると、春真が昨日のうちに洗濯乾燥しておいてくれた自分の服を着た。
祐樹は昼食の後に昨日作ったアイスを食べながら外を眺めてはため息をついている。
「あーあ、もぅ溶けちゃった。」
「仕方ないな。」
「そうなんだけどさ、もうちょっと遊びたかったな。」
昨日今日の祐樹の子供っぽい行動を思い出して春真は小さく笑う。
「何?」
「いや、何でもないよ。」
「何でもなくないよ。
今笑ったでしょ?」
「いや、だってさ、充分遊んだだろ?」
「ええーーー、まだ遊びたかったよ。」
そう言って本気で怒ってる。
そんな姿までが春真には可愛くて仕方ない。
「また雪降ったら泊まりに来いよ。」
「うん。」
祐樹はさっきまで怒ってたくせに、急に静かになった。
「また、来てもいいの?」
「いいよ。
親も言ってただろ?」
「ありがとう。」
そう言って笑う姿は、真冬に咲くひまわりのようだと春真は思った。
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