キミ オモイ

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そのことまでは知らないだろうと思ってたのか、若葉が焦った顔をした。 残念でした。紅葉とラインで連絡取り合ってからお前の情報は筒抜けなんだ。紅葉はきっと若葉には言ってないだろうと思ってた。 「何のためにそんな遠くの大学に行く必要があんの?」 きっと返事はオレの想像どおりだろ。 「学びたい分野がその大学にあるからです。」 ガキの頃から一緒だった若葉の将来の夢は変わってない。だからその分野に進みたいという若葉の気持ちも理解できる、だけど。 「同じ分野を学べるし、ランクも上の大学が県内にあるのに?」 オレは知ってる。去年お前の行きそうな大学調べたから。ココだと思っていたのに紅葉から聞いた大学名は聞いたことの無いものだったんだ。 「それ、は…。」 返事に困った若葉に追い打ちをかける。焦った若葉の手首を握って逃げられないようにする。 「変えてよ、高校受験の時最後にオレが行けるランクまで下げてくれたろ?今度はオレが勉強して追い付いてくから、県内に変えろよ。」 オレはこの時結構必死だったんだけど、オレが熱くなると若葉は冷静を取り戻す。 「僕はそんなことはしていません。悩んで選んだ高校が今の高校だっただけです。大学を変える気はありません。」 そう言って掴んでいた手首をあっさりと離された。
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