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いつも通りの時間、いつも通りの通学路、そろそろアイツが来る。今日は横からか?後ろからか?そう思っていると
「チカーー!!おっはよー!」
時間ぴったりにケンが後ろから飛びかかってきた。ケンは小柄な男だけれど、飛びかかってくれば衝撃はそれなりにある。倒れないように力を入れて受け止める。
それにしても毎日同じことをしてよく飽きないな、お前。
「普通に挨拶出来ねえのかよ?ケン。」
身体に張り付いたケンを無理矢理引きはがして、道路に放り捨てる。すぐに残りの二人が回収にやってくるだろう。
こんな扱いをしてるが、ケンはオレが普段からつるんでいる仲間だ。さっき言った残りの二人も同じ。黒髪短髪で小柄なケン、明るい茶髪のフワフワした感じのカズ、黒髪の長髪で無口だが人一倍世話焼きのショウ。いつも四人で屋上でダラダラしてる。
後はたまに来るちょっと面倒くさい女の千亜樹。彼女とかじゃない、オレの唯一の相談相手。千亜樹が言うにはオレ達は似た者同士なんだそうだ。
「チカ―!酷い!」
道路に尻もちをついたままのケンがブーブーと文句を言っている。あー、うるせえ。早く回収係来ねえかな?
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