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第1章【そうして始まった】
沢山の人が歩く街中。何でもない、ここ、東京渋谷では良くある光景だ。派手な食べ物や、着飾った人々が歩く街。そんな中に目立つ黒い学ランの少年二人がいた。
「なぁなぁ」
背の小さな焦げ茶の髪の少年は黒髪の少年の周りをグルグルと周り黒髪の少年の腕を引っ張る。
「離してよ」
「いいじゃん、夜月いこうぜ! 特になんの用もないんだろ!」
「やだよ! 怒られるだろー!」
クラスメイトであり友人であるタカに声をかけられウンザリとしながら冷たい目を彼に向けて夜月はため息を零す。
「下校途中の寄り道は禁止されてるじゃん、補導されるよ」
「少しだけだって!」
「やだよ」「ほんとに少し!」「やだったらやだ」
そんな会話を繰り返しているふたりに周りを通る人は少し目を向けるが足を止めることなく人並みは流れていく。そんな中怒ろうと口を開いたは夜月は思わず固まる。とてもいい香りがしたのだ、なんかものすごくいい匂いがして、思わず振り返る。するとタカが入りたがっているゲーセンの中に長い髪のミニスカートの女の子が入っていくのが目についた。
「タカ」「え?」「行ってもいいよ、つかさっさと行こ。青春が俺を待っている!」「マジかよ! やっりー!」
わいのわいのしながら、彼らは制服のままゲーセンに入っていきタカは車のゲームをしに、夜月はさっきの女性を探してウロウロしていた。
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