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第1話
此処は、獅童家別邸、獅童仁の妻。アーシャー・マリーン・獅童の部屋。夫の仁が、妻のアーシャーを訪ねてくる。
「アーシャー、今、ちょっといいか?」
「はい、あなた、大丈夫ですよ。」
「先程、担当医に、呼び出されてな。お前の病気の事を聞いてきた。話すけど平気か?」
「はい。あなたのその顔で大体は察しが付きますけど、どうぞ、お話になって…っゴホッゴホッゲホッ。」
仁は、アーシャーの背中を撫でながら話を再開する。
「お前の病気は、国の難病に指定されている類のものらしい、此処、嵯玖羅威学園の医者は優秀だ、そんな医者ですらも、お前の病気は、完治させることが出来ないと言われた。私としては、お前に生きててほしので、なるべく長く生きれるよう努めてくれと、医者を説得してきた。医者は、延命のみであれば出来る限りやりますとの事だった。この事を私の父、獅子織会長に言うがいいかい??」
「…やはり。そうでしたか。私の病気はそんなに重かったんですね。私の産んだ、子供達の成長が、見られなくなるのは悲しいですが。仕方ないですね。会長への報告は自然かと存じますわ。私は、このような身、いつ縁を切られても仕方ないですわ。」
そう妻が言う、その顔は、悲しそうにしか見えなかった。
「会長の返事は、後日伝えるよ。ゆっくり休んで。」
「はい。あなた。」
「おやすみ。」
そう言い、額にキスをし、部屋を出る。
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