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第2話
アーシャーの部屋を出て、仁は、自分の書斎に向かう。そして、書斎に着き、中に入って、自分の椅子に座ると、アーシャーの辛さを想って泣き出す。
そんな、仁の所に、よほど大事な事なのか、執事長がノックをしながら入室してくる。
(・・・・コンコンコン。)
「旦那様、獅子織会長からお電話です。失礼します。」
「っ。執事長。すまない。ありがとう。出さしてもらうよ。
貸してくれるかい?」
「もちろん喜んで。」
そう言いながら、電話機を旦那様である仁に渡し、執事長は、ハンカチを手にし、仁の涙を邪魔にならないよう、ニコニコしながら拭いていく。
一方で、仁は、獅子織会長との電話を開始する。
「お電話変わりました。仁です。」
「急な電話すまないな。実はな、折り入って話したいことがあるのだ。急で、すまないが、本邸に、今から足を運んではもらえないか?」
「わかりました。お伺いします。」
「ありがとう。待っているぞ。」
「はい。ではまた。失礼します。」
通話が、終わり、先程まで、涙を拭いていた、執事長に声を掛ける。
「執事長、すまない、会長に、呼ばれたので、本邸に顔出してくるよ。電話機持ってきてくれて助かった。ありがとう。」
それに対し、執事長
「いえ、執事として、当然なことをしただけですよ。旦那様。気をつけて、行ってらしゃいませ。お帰りをメイド長と一緒にお待ちしております。」
「ありがとう。助かる。では、行ってくる。」
「行ってらしゃいませ、旦那様。」
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