第3話

1/1
前へ
/7ページ
次へ

第3話

会長が、仁に言う仁の現在の家族構成について、「人」という文字が抜けていたので、訂正&ルビを追加しました。9/20 ___________________________________ 病院から別館へ帰宅した、仁に獅子織(ししお)会長から連絡が来て、本邸へ訪問。すぐに会長の部屋に案内される。 「会長、参りました、仁です。失礼します。」 「よくきたの。」 「ハィ。妻の病状報告のため、呼ばれなくてもきましたのに…。どうされたのですか?」 「その前にじゃ、アーシャーの容態はどうなのだ?」 「担当医から、アーシャーの病気は、国の指定難病の類に指定されていて、治療方法も、まだ発見されていないものだと聞きました。完治させる方法は、現在なく、延命することのみしか出来ないと言われました。」 「そうか、それは、大変だの。して、お前とアーシャーには子供が3人で、男1人、女2人と聞くぞ、もしもの時のために、もっと子供が欲しいと我は思うぞ。どうだ?」 会長からの質問に、答えたいが妻を裏切りたくない気持ちが勝って、10分無言な仁。それに、(ごう)を煮やした会長からこんな事を言われる。 「米国。アリア家から、お前に、婚約者兼ねては妻として、よろしくして欲しいとサーシャと言う女を勝手だが迎えた。」 「っ!? ちょっと待ってください。今の妻は、アーシャーはどうなるんです?私は、彼女と離縁するつもりはありませんよ?」 「当然だ!!アーシャーは、ウチに嫁に来た以上、ウチのものだ、アーシャーの親から、娘を返してくれって言われたって飲まなかったんだ、このまま、この家の。(いや)、仁の第1婦人としていて貰う。ウチは、大きい企業になった。できれば、その全てを、男子の子供と孫に継がせたいと思っている。今の、お前と唖架利だけでは、限界がある。だから我が()にもっと男子が欲しい。それだけのことだ。」 「アーシャーには、なんと言えばよいのです?私は。」 「ワシから、もっと子供が欲しい。だが、アーシャーには、病が有るため、子供を産ませられないと、判断し、仁に断りもなく、勝手に婚約者を見つけてきた。離縁させるつもりも、離縁するつもりもない。アーシャーには、これからは、第1婦人として、自分の病のことだけに目を向ければ良いと言えばいい。お前が、アーシャーを好きなのは分かる、会社のためだ、納得してもらうぞ。」 会長にそう言われ、断りきれなくなった仁は、仕方なく返事を返すのであった。 「はい。分かりました。」
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加