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第4話
一部、文面を変更しました。9/21
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獅童家本邸から帰宅した、仁が執事長とメイド長にことのしだいを報告する。
「執事長・メイド長、悪いが、父からの言いつけで、第2婦人を設ける事となった。名前をサーシャという。米国の方だそうだ。2人とも、すまないが、第1婦人である。アーシャーと同じぐらいか、それよりも少しだけ小さいくらいの部屋、どちらかの部屋の準備を進めてくれないか?」
それに対して、執事長とメイド長から質問をされる。
「失礼ながら、旦那様。奥様には、どう説明されるので?」
「あー。あぁ。父からの押しつけで結婚することになったと、言うつもりだ。もちろん、アーシャーを放り出すことはしないと、父から言われている。」
「そうですか、執事で有りながらこのような事を、聞いて誠にすいませんでした。ですが、奥様のことが心配だったのです。」
「いいんだ、いいんだ。お前だって家族の一員ではないか、心配して当然だよ。」
「あの。ご主人様、私も、お聞きしたいことが有ります。奥様は、奥様の容態は、どのようなものなのですか?」
「そうか、君もアーシャーの専属のメイドとして長いもんね。心配だよね。驚かないで聞いておくれ。妻は、アーシャーは、国の指定難病でね、完治は難しいそうだよ。延命にだけしか力を入れることが出来ない、不出来な私を許してくれと、主治医が言ってた。あんなに優秀な医師しか居ない病院でだよ。もう、仕方ないと思うしか私にはできなかった。もちろん。アーシャーをこれからも支えていく、第1婦人になるが、きっと、心の広い彼女のことだ許してくれるさ。」
「そうですね。私としては、平手打ちのビンタをされても然るべきだと思いますが、優しい奥様のことです。許してしまうのでしょうね。」
「第2婦人サーシャが来るのが、いつになるかは、私は知らない、知っているのは父だけだ。それまでに、第2婦人付きメイドと、執事を決めて教育をお願いしてもいいか?」
その言葉に、執事長とメイド長が、お互い悲しさを隠しつつ、元気に返事をする。
「「何なりと、お申し付け下さいませ。旦那様。」」
「まずは呼び方を、変えようと思う。第1婦人アーシャーの事を、奥様と呼び、第2婦人サーシャの事をサーシャ様じゃ、おかしいだろ!?なので、アーシャーの事を第1婦人様、サーシャの事を第2婦人様と呼ぶのは、どうかな?」
それに対し、メイド長が、一言。
「そうですね。私としては、第1・第2とつけられるとすごく遠くなったような感じがします。もう少し、違う言い方が良いかとおもいます。」
ここで、執事長も、メイド長と合わせて、一言。
「私としては、大奥様、奥様の方が嫌がられないかと、思いますがね。」
それに対し、仁が、怒りもせずこう答える。
「わかったそうしよう。呼び方の一本化任せたよ。よろしくね。僕は、父から、第2婦人をあてがわれたことの報告をしに行かなければならない。彼女はきっと、少し悲しむだろうなぁ。」
それに対し、メイド長が、一言。
「頑張ってください。旦那様。」
「ありがとう。頑張るよ。」
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