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そこ
わたしはとても脆い。たったの一言、なんの気もなさそうな一言でも酷く傷ついてしまう。
傷つくと、息が苦しくなって、そしてゆっくりと体が沈んでゆく。やがて薄暗い底に、だらり、と手足を投げ出したように沈み込む、体が重くて動かせない。
底の深さはいつも違っていて、傷つく程に深く、体も重くなっていく。ぼんやりとした思考の中で、(ああ、今日は浅いほうだな)などと呟いたりする。
しかしながら、わたしにもプライドや空気を読む、というものがあって、どんなに沈み込んでも、呼ばれたらどうにかもがいて外に出てにこにこするように努めたり、沈み込みながらも、きちんと冗談であるように反応したりする。それは息苦しさを増すものだった。
そうしなくてよいときは、ずぅっと、やがて自然に浮かぶまで沈み込んでいる。誰もわたしのことを救いには来れないから。そもそも救いに来てくれるひとがいるかは別として。
もっと、傷つきにくい心が欲しかった。修復すら追いつかない今では本当に奇跡でも起こらないと無理だろうな。
今もまた、もがいて、浮かんで、にこにことしている。
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