第2章正直警察呼びたかった。

2/5
前へ
/83ページ
次へ
まじでそろそろひっぱたきそう。 動きたがる右手をそのまま振り下ろすかやめてあげるかの戦いをしていると 「翔平、お前こんなとこにいたのかよ。」 と、神山先輩ほどの高さはないものの それなりに背のあるイケメンが来た。 「あ、お兄ちゃ~ん」 「え?あ?理沙のお兄さん?」 イケメンさんはどうやら理沙のお兄さんだったようだ。 「あぁ、理沙。そっちは生咲ちゃんだったよね? たまに家に遊びに来てるけど話すのは初めてだね。 理沙の兄の哉太です。 そこにいる神山翔平の友達だよ。 よろしくね。」 なんて、爽やかでいい人だろうか。 これで神山先輩と同じ人間とは思えない。 感動しているとお兄さんが何かに気がついたようだ。 「ちょっと待て。…ここのメンバーに翔平ってまさかお前… 俺今知りたくない状況を知った気がする…」 「え?僕?何が?」 「最近仲のいい翔平から 1年の好きな子のこと相談されるんだよねぇ~… そんでもって妹からは友達が3年の先輩に付きまとわれて大変迷惑してる話を聞くんだよなぁ…」 「…お兄さん、その考えで 合っているかと思います。」 理解がここまで早いとは… 理沙といいお兄さんとい中川家(理沙の名字)は侮れないようだ。 「え?え?」 唯一わかってないのは神山先輩ご本人だけの様子。 「…翔平、お前何してんだバカっ! やりすぎだろ!!!! 身近な犯罪者がまさかこいつとは… 生咲ちゃんごめんな? こいつ連れてくから!!!!」 そう言って有無も言わさずズルズルと 神山先輩は連れて行かれるのでした。 「…なんだったんだろうね~今の~」 気にせずご飯を食べ続けていた理沙の神経も侮れない。 「…さぁねえ…ご飯たべちゃお」 けれど、この兄妹には頭が上がりそうにもないな。 けど明日も例の先輩 が来るかもしれない。 そう考えただけで生咲にはため息が出るのだった。
/83ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加