第2章正直警察呼びたかった。

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けれど次の日からはそこまで苦ではなくなった。 理沙のお兄さんがガードしてくれていた。神山先輩はいつも通り来るがセットでお兄さんが来るのだ。 頻度も減った。 今まで授業の合間も来ていたのに 朝とお昼と放課後の三回に落ち着いたのだ。 お兄さんには感謝感激雨嵐… 「…なぜ先輩がここにいるんです?」だがなぜかあれから放課後一緒に下校することになってしまった。 あの日の放課後に昇降口で待たれていたのだ。お兄さんもセットだったけど。止められなかったとかなんとかお兄さんに必死に謝られたけど、まあ2人きりじゃないならいいかなと許すことにした。 鬱陶しいだけで害はないし。 「僕ってそんなに鬱陶しいですか?」 突然顔を覗き込みながら神山先輩が聞いてきた。 (ヤバっ声に出てた?) 「いえ、顔に出てましたよ」 と、笑顔で答える先輩 「顔に出やすいですね」 またまた爽やかに答える先輩。 「先輩」 「はい?」 「気持ち悪いです」 「え?」 かなりショックを受けたような顔で覗き込んできていた顔を引いた。 「…おれ今までこんな奴とずっと友達だったのかよ…友達やめようかな… お前クラスでは真面目な奴って空気纏ってんだろうが」 神山先輩なみにショックな顔で 大変失礼なことをお兄さんが言う。 まあ、なにも否定できないので とりあえず力強く頷いておいた。 「ぼ、僕は生咲さんが好きなだけですよ?その想いは仕方ないのでは?」 なぜこんなにもいい顔で言うのだろうか。とりあえず、 「先輩…なんか腹たちます。」 がっくりと肩を落とす先輩と仕方ないだろうと言わんばかりに肩をポンと叩いたお兄さんを横目に 私は理沙と仲良くお喋りをしながら帰るのだった。
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