新時代の足音

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○清水湊    埠頭で黄昏る次郎長 鳥居「そう。東海の雄『清水の次郎長』 あいつが何も知らずに 江戸侵攻を許したとは思えない」 権二郎「何か考えがあったんでしょう」    同じ侠客繋がりでもう1人思いつく ○信州    とある山村の納屋    農民に匿って貰う国定忠治 鳥居「「役人殺し」以降、姿をくらました 上州の『国定忠治』の行方も分からず終い」 ○江戸湾    黒船の来航前    外海方面を厳しく見張る巡視船    物々しい雰囲気の江戸湾    後に名を上げる    若き    「幕末」の志士達(近藤勇)等と    「維新」の精鋭達(勝海舟)等が    その空気を思い思いに肌で感じ取る    後に終焉を迎える    徳川幕府の中枢にいる鳥居自身は    嫌な胸騒ぎを感じていた 鳥居「外海で屯する 外国船の動きも騒がしくなってきた。 水面下で何が起ころうとしているんだ?」 権二郎「さあ、でも気に掛ける心配は無いと思いますがね」 鳥居「どういう事だ?」 権二郎「幕府最強の取り立て屋、 鳥居耀蔵さんがいますので」    その空気を全く感じない庶民    (権二郎)    その反応に拍子が抜け    やがて微笑む鳥居 鳥居「ふっ、そうだったな」 語り「激動の幕末、 洋学を憎悪し、 でっちあげと陥れを駆使し 庶民から年貢を採取する 稀代の悪代官がいた。 名は『鳥居耀蔵』 その横暴さ故、 庶民にたいそう嫌われていたが、 国を愛し、悪を排除する姿勢は 方向性は違えども。 その信念は名代官遠山金四郎も 称賛したと伝えられている」                 完
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