0人が本棚に入れています
本棚に追加
月下の出会い
〇広小路(夜)
海老名一家の見送りの直後
夜道を歩く光吉とお泉
お泉「随分と楽しんでおられましたね」
光吉「そうか?
酒で口を塞いでいなければ罵声の嵐を吐いていた
何だ?あの頓珍漢な型は。
祇園でも見たことが無い」
不機嫌な表情を露わにする光吉
お泉「まあまあ。
祇園は広く、隠れた宗派かもしれません」
〇回想・料亭での宴会にて
酷い舞踏を見たくは無いが
海老名一家を不機嫌にさせ
余計なトラブルを起こしたくない光吉
結果、終始目を泳がせる
それを自身に対する
「釘付け」だったと勘違いし
光吉を意識して舞う小雪
光吉「身体も醜過ぎて眼のやり所に困った」
(回想終わり)
一層大きなため息を吐く光吉
光吉「ああ、不満を吐き散らせばまた喉が渇いてきた。呑み直すか」
お泉「いけません!
お酒の席で醜態を晒すなと大旦那様に強く言われております」
最初のコメントを投稿しよう!