第三部:事件を追い、春へ。

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彼女を便利遣いする被害者は、大山なるあの美人学生を口説き。 フラれたばかりの彼を見掛けた関係者の野木は、頼まれていた模型を届けようと夜に会う。 処が、だ。 寮の脇で会った時、濃密にキスを交わした。 それなのに、その後に公園へ連れ出された関係者へ、被害者の種蒔氏は信じられない事を言う。 “実は、俺の講義の仕事を手伝う男の学生が、都合の良い肉体関係の相手を探してる。 俺の仕事にアイツは必要だから、悪いがソイツと寝てくれないか” 唐突に、こんな事を言われ愕然とした関係者。 然も。 “嫌なら、お前との関係は解消だ。 それから、宇津野教授の研究に加われる様に口添えする話も、当然ナシって事だ” と…。 2年近く、丸で仕える様に尽くして来た関係者。 こんな形で裏切られるとは…。 愛してる、と被害者に強く伝えても、彼は詰まらなく笑い。 “お前は、俺の性欲の捌け口兼便利な女。 本気な訳ない。 全く、鏡を見ろよ” こう言われたとか。 被害者から頼まれた模型は、金属で出来ていた。 それが入ったバックで、被害者を思いっきり殴った彼女。 然し、よろめいた被害者が、ゴミのビニールを踏んで滑った。 頭から固い階段に転落し、首が異様な音を立てて動かなくなった。 「すみません。 怖くて、逃げました…」 罪を認める彼女。 それを見ていた笹井管理官と小山内理事官の元に、進藤鑑識員が来て。 「ルミノール試験薬の反応は、陽性です。 このまま、血液検査をします」 自白した関係者を見る小山内理事官が、 「進藤さん、スピード解決だね」 と、気楽に構えて言う。 だが、真剣な顔の進藤鑑識員で。 「いえ。 木葉刑事と飯田刑事は、まだ捜査本部が出来て無いので捜査に行きました」 と、言うではないか。 「ん?」 振り替える小山内理事官へ、進藤鑑識員が。 「実は、現状には、被害者の死後に着いたと思われる複数の足跡痕が残って居ました。 犯行はあの関係者かも知れませんが、見て見ぬ振りをした者が他に…」 「そうか」 一課の刑事2人が先んじて動いたので、笹井管理官は集まった捜査員に立ちながら捜査を指示。 若手の女性には、回収された防犯映像の確認の応援をさせる。 女性の輝ける組織を目指して頑張るらしい・・笹井管理官に、里谷刑事やら鴫鑑識員は覚めて動く。 夕方に出来上がった捜査本部に、木田一課長が来た。 小山内理事官と会う木田一課長。
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