第三部:事件を追い、春へ。

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        ★ 憂鬱な事件から外れて、2日後。 警視庁で、捜査に関する報告書を書いていた木葉刑事。 昼前で、何を食べようか仲間と話し合う其処へ。 「おいっ」 トイレに出た筈の篠田班長が帰って来て、皆の輪の中に入って来る。 そのニタニタした顔に、如月刑事の“勘ピューター”が働き。 「班長っ、どうしました?」 嬉さが止まらない篠田班長で。 「今、望月主任から聞いたんだがよ…」 笹井管理官が、木田一課長に怒られたらしい。 木葉刑事を叱責したが、女性問題は笹井管理官がずば抜けて多い。 何の用も無く女性職員へ会いに来たり、話し掛けたり、食事に誘ったりと…。 喜ぶ刑事達で、里谷刑事などは。 「イイ気味じゃ。 あの女性差別野郎め、管理官など首に成ってしまえ。 ウハハハ」 “女性だ、男性だ” こう区別するのもハラスメントだ、と苦情が挙がるらしい。 そして、昼。 1人で、焼きタラコと卵焼き定食を食べる木葉刑事。 納豆、揚げ出し豆腐、エビフライの単品を追加し、嬉しそうにする。 其処へ。 「木葉殿、相席を宜しいかえ?」 鴫鑑識員が来た。 「あら、鴫さん。 ど、どうぞ」 頷く其処へ、進藤鑑識員や保科鑑識員も来た。 人が多く、これならば風当たりも弱いだろうと思ったが。 「のぉ、木葉殿」 「はい?」 「明日、皆で夜を一緒に、食事へと詣らぬか。 進藤主任が、幹事を持つと仰るのじゃ」 木葉刑事は、進藤鑑識員を見て。 「大丈夫ッスか。 絶対に、ウチの班の怪物的マスコットが、漏れ無く着いてきますよ」 「里谷も大丈夫だ。 たまには、な」 鴫鑑識員も。 「ケーキのお礼じゃ、妾も一部を持つでのぉ。 じゃから、是非に」 と。 班の仲間に話を持ち帰れば、織田刑事、飯田刑事、篠田班長以外が行くと言う。 例の人物は、“奢り”が世界で一番に好きな言葉と喜ぶ。 “誰だよ。 数日前に、純愛こそノーベル賞を超えるって言ってたのは” こう思ったのは、木葉刑事だけではなかっただろう。 ま、明日の飲み会は決まった。
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