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(鴫が好きな相手の噂の一人が彼みたいだけど、本当に彼なら理解が行くわ。 笹井の顔は要らな~い)
踵を返す曽根崎職員。 笹井管理官が食事に誘った一人は、この曽根崎職員で在った。
その日、証拠品として押収した物で、必要の無い物を返却したりする篠田班。
その午後の事。 薬物中毒だった女性の家に、一部の押収物を返却した木葉刑事と八橋刑事と市村刑事。
その帰り、車の中で。
運転する市村刑事が。
「木葉、テメェ。 昨日の爆弾発言は、根深いぞ」
助手席でしれぇ~とし、余所見する木葉刑事。
後ろに居た八橋刑事ですら。
「里谷さんに、タブーがまた増えましたよ。 ケーキって、かなりメジャーな単語ですよ、木葉さん」
またまた、しれ~っと横向く彼だが。
「じゃ、穴埋めじゃ~在りませんが。 美女の居るお店に行きますか」
後ろの席から前に顔を出す八橋刑事。
「美女っ?」
と、彼女の居る身ながら食い付く。
一方、眉唾物と目を細めた市村刑事。
「まさか、美女ってのは里谷じゃあるまいな」
「イヤイヤ、そんな訳無いッス。 美女が居るのは、六本木のクラブです」
「ほぅ、玄人か」
「行きます? 自分は用事が在るので、行かなければ成りませんが」
「お前が、六本木のクラブに?」
「はい」
「ふぅん…」
何か、必要だから行くと、深く尋ねなくても察した彼だ。
その夜、市村刑事と八橋刑事に、男性職員が何人か一緒に来た。 木葉刑事が八橋刑事に連れる人数の相談すれば、今流行りのアプリで誘いを掛けた彼で。
“美女のママ”
に、男性職員が釣られたのだ。
で、あのクラブ“アシュリー”に行く。
「あら、いらっしゃい」
タイトでボディーがくっきりする短いワンピのドレスを着た、あの美人の女性店主が現れた。
「レベル高ぇ…」
「うぉぉ…」
「マジかっ、当たりだ」
「大当たりだよ」
男性達が見惚れる中、彼女に微笑した木葉刑事。
「上役の方は知らないので、何とか同僚を…」
一緒に来た男性職員の一人は、総務部の係長。 一人は、若きエリートコースを行く予定の広報の職員。 他、刑事や内勤職員が5人ほどだ。
「いらっしゃいませ」
「ようこそ」
美女や愛らしい女性スタッフが多い店だ。 今日は客入りがまだ少ないらしく、大きなテーブルに女性が6人も。
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