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話を手帳に書く木葉刑事だが、この女性から種蒔氏に対する羨望や恋愛の様子が見えず。
「貴女は、種蒔さんとのお付き合いは?」
「あ、私ですか」
「彼のスマホには、沢山の女性の名前が有りましたが…」
「私は、種蒔さんみたいな方は、ちょっと…」
「ほう」
彼女は、机に在る家族写真を取り上げ。
「私は、亡くなった母の事を未だに愛する父みたいな人がいいんで…。 種蒔さんみたいな方は、苦手です」
「ほう。 処で、種蒔さんがその計算ソフトを欲しがったのは、何時ぐらいからですか?」
「2・・2ヶ月ほど前からでしょうか。 突然だったので、覚えています」
「では、不在証明を聴いていいですか?」
「アリバイ・・ですね」
緊張した面持ちに成る女性。
木葉刑事は、苦笑いし。
「すいません。 仕事なもので…」
「近くの寮で、観測データの解析をしていました。 夜の8時過ぎから、夜中の2時くらいまでです」
「では、確認だけさせて貰いますね」
「はい」
頷く女性だが、木葉刑事は悔しそうに、恨めしそうに写真を見る種蒔氏の姿を見ると。
「この写真のデータが未発見の事実に繋がれば、貴女もノーベル賞が取れるかも知れませんね」
こう言って、写真をまた見る。
研究熱心なのか、女性は明るくなり。
「夢です」
「なるほど。 では、また御伺いするかも知れませんが、研究を頑張って下さい」
「はい」
この女性より離れる木葉刑事は、他の女性に話を聴く二人に合流。 スマホに、被害者のスマホのデータの一部が来ているので、それを元に他の女性へ話を聴く。
そして、女性職員や大学生が住む寮に向かう事に成る昼。
大学内の雪で凍った路上に苦戦する里谷刑事が。
「しっかし、よっ。 あの被害者、何人と付き合ってるンだっ。 はっ」
普通に歩く木葉刑事。
「てか、イケメンだから宜しいのでは? モテる訳ですし、結婚する相手を見極めるまで自由でいいかと」
この話の“イケメン”が、ストレートな嫌味に聴こえた里谷刑事。
「イケメンを口にした事を、御主はネに持っているのか?」
「そうじゃなくて。 女性から好かれて居るんだから、何人と付き合おうが構わないでしょうよ」
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